ルネサンス時代のイタリアの絵画には、横顔の肖像画が多くみられるようです。このような傾向がみられるのは、古来から人々の肖像画として横顔が好まれていたことがあげられます。古代ギリシア、エジプト、ローマなどに君臨した偉人達の肖像画の多くが横顔であったことなが、時代を経ても受け継がれていたのではないかなどとも考えられているようなのです。ルネサンス時代に活躍したアーティストたちは、大富豪などのパトロンたちの肖像画を描くことによって、生計を成していたようです。当時、彼らの描く絵画や彫刻は、ギャラリーなどに展示販売されることはなく、財力をもちあわせたパトロンたちのもとで肖像画を描いたり、資金提供を受けながら独自の作品作りに没頭したと言われております。現在でも、お妾さんなどの資金提供者をパトロンと呼びますが、ルネサンス時代の多くの芸術家たちは、パトロンからお世話を受けるなかで生活を営むことができていたようです。